広島のプロ家庭教師 マナベル
中学受験の記事一覧へ戻る
併願戦略と学校選び (更新:)

広島の中学受験における「1月下旬の連戦」を乗り切る併願戦略と補欠合格への対応

広島の中学受験における「1月下旬の連戦」を乗り切る併願戦略と補欠合格への対応

この記事の重要ポイント

  • 1月下旬に主要校が密集する過密日程の最新動向
  • 学校ごとに真逆となる「求められる頭の使い方」
  • 補欠合格の玉突き連鎖と家庭でのメンタル管理

広島県内の中学受験で、秋から冬にかけて多くのご家庭が直面するのが「1月下旬の過密なスケジュールをどう乗り切るか」という併願設計の悩みです。

広島都市圏の中学入試は、わずか数日の間に国立・公立・私立の主要校の試験が立て続けに行われる、全国的にもかなり珍しい過密日程になっています。

連日の移動や試験による体力面の負担はもちろん、「前日と当日でテストの傾向がまったく違う」という頭の切り替えの大変さ、さらには合格発表後の入学手続きや繰り上げ合格の連絡待ちなど、保護者の方にかかるプレッシャーも相当なものです。

この記事では、 2026年度および2027年度(速報)の最新入試日程 をもとに、1月連戦を落ち着いて乗り切る併願作戦、志望校に合わせた「前受け校」の選び方、そして気になる「補欠合格のリアルな仕組み」について、分かりやすくお届けします。

広島特有の超過密カレンダー:最新2年(2026・2027年度)の入試日程

広島の中学入試は、1月下旬の数日間に主要難関校の試験がぎゅっと凝縮されています。

まずは、直近2年間の1月後半の主要校日程を見比べてみましょう。

学校名2026年度(令和8年)2027年度(令和9年・速報)主な特徴・注意点
広島なぎさ1/20(火)1/19(火)専願・一般・グローバル
広島城北(後半)1/21(水)1/20(水)一般4教科
広島女学院1/21(水)1/20(水)専願・一般
修道1/23(金)1/22(金)5科目(独自科目C.T.あり)
ノートルダム清心1/23(金)1/22(金)4科目+面接
県立広島1/24(土)1/17(日)2027年度は1週早い実施予定
広島学院1/25(日)1/24(日)男子最難関・4科目
広大附属東雲1/25(日)―国立・3教科型
広大附属1/26(月)1/25(月)国立最難関(調査書150点加算)

2026年度の日程を見ると、1月20日の広島なぎさから始まり、21日に広島女学院や広島城北、23日に修道と清心、24日に県立広島、25日に広島学院、26日に広大附属と、 ほぼ毎日どこかの本命校・上位校の試験が続く怒涛の1週間 になっています。

さらに2027年度(速報)では、主要校の日程が全体的におおむね1日早まる見込みです。

特に注目したいのは、公立中高一貫の 県立広島中学校が2027年度は1月17日(日)と、私立・国立の連戦より1週間早い時期に設定されている点 です。私立難関校との併願が組みやすくなる一方で、1月前半からの仕上がりがよりシビアに求められるようになります。

主要校でこれだけ違う!試験科目と配点の仕組み

併願パターンを考える上で絶対に知っておきたいのが、各学校の「配点と選抜のルール」です。

名前の通った学校であっても、見ているポイントは全く異なります。

学校名区分学力検査の科目・時間・配点選抜の大きな特徴
広島大学附属国立(共学)国語(45分・100点)
算数(45分・100点)
理科・社会(2科で45分・各60点)
学力検査320点に加え、 小学校の調査書150点 が加算される総合470点満点。
修道私立(男子)国語(50分・125点)
算数(50分・125点)
理科(40分・100点)
社会(40分・100点)
C.T.(50分・100点)
5科目・計550点満点。
校内放送を聴き取って解く「C.T.(情報受容能力テスト)」がある。
ノートルダム清心私立(女子)国語(50分・100点)
算数(50分・100点)
社会(30分・60点)
理科(30分・60点)
4科計320点満点。
学科試験のあとに受験生本人の面接がある。
県立広島公立(共学)適性検査Ⅰ(45分)
適性検査Ⅱ(45分)
面接
募集定員ちょうどの厳格な選抜。
事前の補欠通知は一切出さない。

広大附属は「筆記320点+通知表150点」の総合勝負

広大附属は、当日の筆記試験(320点)だけでなく、小学校の通知表をもとにした 「調査書150点」 が合否に合算され、 470点満点 で判定されます。全体の3割強を調査書が占めるため、日頃の小学校生活や通知表の評価も合否の大きな土台になります。

また算数の難易度も年によって大きく変わります。2023年度は合格者平均が81.6点という高得点勝負でしたが、2026年度は70.8点まで難化し、合格者の中でも算数最低点が41点まで下がりました。「8割取れないと落ちる」と決めつけず、難しい年は「みんなも苦戦しているから、取れる基本問題を確実に拾おう」と切り替える柔軟性が大切です。

※附属中の倍率推移や教科別の詳しい傾向は、【広大附属中】4年間の公式データから見る実質倍率の推移と合格ラインの考え方 で解説しています。

修道は「放送テスト(C.T.)を含む5科目550点」の体力勝負

修道は、通常の4教科に加えて 「C.T.(情報受容能力テスト)」 という独自科目が課されます。

これは校内放送から流れる長い音声を集中して聴き取り、メモを取りながら設問に答えるテストです。お昼を挟んで午後まで続くため、集中力とスタミナが試されます。

また、算数の採点について学校側は「問題文の指示を守ること」「数字を丁寧に読みやすく書くこと」「計算の過程や図をわかりやすく残すこと」を毎年のように講評で伝えています。ただ答えを出すだけでなく、「自分の考えを採点者に丁寧に伝える姿勢」が部分点につながります。

連戦期にある「見えない疲労」の正体:日替わりの頭の切り替え

連戦でお子様が疲れてしまう一番の理由は、歩き回る疲れ以上に 「前日と当日で、求められる頭の使い方がガラリと変わるから」 です。

広島の主要校は、それぞれ出題のタイプが驚くほど異なります。

  • じっくり筋道を立てて部分点を拾うタイプ(修道など) 複雑な条件を粘り強く追って、途中式や図を答案にしっかり書き残す姿勢が求められます。
  • スピードと高い計算精度が求められるタイプ(広大附属など) 教科書レベルの標準的な知識をすばやく正確に処理し、小さなミスをゼロに抑える正確性が求められます。
  • 長い文章を読み込んで深く表現するタイプ(清心など) 登場人物の気持ちの変化や筆者の主張を的確につかみ、自分の言葉で表現する記述力が問われます。
  • 教科の壁を越えてグラフや課題を読み解くタイプ(県立広島など) 国語や算数といった枠組みではなく、資料から問題点を見つけて解決策を説明する適性検査の思考が求められます。

「途中式を泥臭く書いて部分点を稼ぐテスト」を受けた次の日に、「1問のミスも許されないスピード勝負のテスト」を受ける。さらにその翌日には「グラフや資料を読み解く適性検査」に挑む……。

小学生のお子様にとって、この「頭のモードの切り替え」は想像以上にエネルギーを使います。

ご家庭でも「学校ごとにテストの性格が全然違うんだ」ということを知っておき、前日の感覚を引きずらないように声をかけてあげることが大切です。

前受け校の賢い選び方:本命校に合わせた「実戦リハーサル」

1月下旬の本命校の連戦に、一度も入試本番を経験しないままぶっつけ本番で挑むのはとても危険です。

どれだけ模試で慣れていても、真冬の張り詰めた空気、正門前で先生たちに見送られる独特の緊張感、ピリッとした教室の雰囲気は、本番の会場でしか味わえません。

そこで広島では、 1月上旬から中旬の試験を「前受け(事前の実戦練習)」として活用する のが定番になっています。

ただし、前受け校を選ぶときは「本命校と似たテスト形式を選ぶ」のが成功のコツです。

  1. 私立難関校や広大附属を目指す場合
    • 4教科型の試験 (広島国際学院の入試Ⅰや、AICJの本校入試など)を選びます。
    • 寒さの中での時間配分や、本番特有のケアレスミスがないかをしっかり確かめる練習になります。
  2. 県立広島や広島市中等を目指す場合
    • 適性検査型の試験 (広島国際学院の入試Ⅱ・適性検査型など)を選びます。
    • 4教科のテストと適性検査では頭の使い方が全く違うため、同じ「資料読み取り+作文記述」の形式で本番の空気感を体験しておくことが欠かせません。

1月上旬のうちに「合格」の通知を1枚でも手にしておくと、お子様の中に「自分はちゃんと合格できるんだ」という大きな自信が生まれ、下旬の本命校にも落ち着いて挑めるようになります。

合格発表のあとにやってくる「補欠合格」の仕組み

本命校の試験が終わったあとも、保護者の方にはもう一つの長い戦いが待っています。

それが、入学手続きの動きに合わせて連鎖的に起きる 「補欠合格(繰り上げ合格)」の連絡待ち です。

複数校を受験しているご家庭が多いため、上位の志望校に受かった生徒が手続きを進めると、併願していた別の学校に入学辞退を出します。その空いた定員を埋めるために、繰り上げ連絡が順番に回ってくる仕組みです。

  • 男子の動き :広大附属や広島学院の手続き状況が引き金となり、修道などの上位校へと繰り上げが連鎖していきます。
  • 女子の動き :広大附属、ノートルダム清心、広島女学院の動きに、公立中高一貫校が絡み合います。特に県立広島は合格発表後に入学確約書(請書)を出すと原則として辞退ができないため、その締切日の前後に各校の動きが集中します。

学校によって全く違う「補欠の知らせ方」

補欠合格の出し方は、学校によって大きく2つのパターンに分かれます。

1. 事前にグループ順位が分かる学校(修道中学校など)

修道中学校では、合格発表のときに補欠候補者へあらかじめ成績順のグループ(段階)が通知されます。

学校が公表している直近3年間のデータを見てみましょう。

  • 2024年度 :補欠72名(1〜18位/19〜39位/49〜70位の3段階) ➔ 繰り上げ36名
  • 2025年度 :補欠60名(1〜13位/20〜36位/41〜59位の3段階) ➔ 繰り上げ21名
  • 2026年度 :補欠58名(1〜15位/23〜37位/43〜54位の3段階)

グループが分かるため「うちまで順番が回ってきそうか」という目安が立ちやすい反面、ボーダー付近のご家庭は、他校の入学金締め切りとの兼ね合いで連日気が気でない日々を過ごすことになります。

2. 事前の通知がなく突然電話が来る学校(県立広島・広大附属など)

公立中高一貫校の県立広島では、合格発表は定員ちょうどしか出されず、事前の補欠通知もありません。辞退者が出た場合のみ、学校から直接ご家庭へ電話連絡が入ります。

また広大附属も、年によってあらかじめ合格者を多めに出して繰り上げを一切出さない年もあれば、辞退の状況を見て2月中旬の説明会直前に追加の電話を出す年もあります。

このように、広島の中学受験は 2月の上旬から中旬近くまで水面下で状況が動き続ける のが現実です。

保護者が家庭で実践したい3つのサポート術

お子様が力を出し切り、ご家族が笑顔で受験を終えるために、保護者の方が意識しておきたい3つのポイントをまとめました。

1. 入学金の「振込締切カレンダー」を作っておく

複数の学校を受験する場合、一番気をつけたいのが入学金の納入期限です。

広島の私立中学校の多くは、上位校の発表を待てるよう締切日を遅めに設定してくれていますが、専願入試やコースによっては早めの支払いを求められることもあります。一度納めた入学金(一般的に20万〜30万円前後)は、基本的に返還されません。

カレンダーには以下の項目を書き出しておきましょう。

  1. 各学校の「合格発表の日時」と「入学金の締切日時(時間まで正確に)」
  2. 本命校の結果や繰り上げを待つために、どの学校に入学金を納めて権利をキープしておくか
  3. もし後から上位校の繰り上げ連絡が来たら、納めた入学金を諦めてでも転学するかどうか

この判断基準を、出願前の落ち着いている時期にご夫婦やご家族で話し合っておくことが、直前のトラブルを防ぐ最大の防御策です。

2. 連戦中の「自己採点・反省会」は絶対にしない

試験から帰ってきたお子様を見ると、「今日の手応えはどうだった?」「あの問題解けた?」とついつい聞きたくなってしまいますよね。

ですが、 連戦中の自己採点や反省会は、絶対に避けてください。

終わったテストの点数はもう変わりません。「できなかった」と悔やんだり焦ったりすることは、翌日の試験に向かうお子様のエネルギーを削ってしまうだけです。

帰ってきたら「今日も最後までよく頑張って受けてきたね、お疲れ様!」と笑顔で迎え、温かいご飯とお風呂を用意して、しっかり睡眠をとらせてあげてください。

前日の出来事をきれいに忘れさせて、翌朝まっさらな気持ちで送り出すこと。これが、連戦期に親ができる最高の後方支援です。

3. 補欠繰り上げの可能性はお子様に見せない

補欠の連絡を待っている間、親御さんがスマートフォンを握りしめてソワソワしたり、「まだ電話が来るかもしれないからね」とお子様に期待を持たせたりするのは控えましょう。

お子様からすると、「せっかく合格した目の前の進学先」を素直に喜べなくなり、「自分はダメだったんだ」という無力感を感じてしまいます。

繰り上げの期待はご両親の胸の中だけにそっとしまっておき、お子様の前では「決まった中学校での新しい生活、本当に楽しみだね!」と家族みんなで思いっきりお祝いしてあげてください。

もし本当に学校から連絡が来たら、その時に初めてお子様の気持ちを優しく確認してあげれば十分です。


広島の中学受験における1月下旬の連戦は、お子様はもちろん、支える保護者の方にとっても心身ともにタフな日々が続きます。

しかし、事前に日程の厳しさや出題の違い、合格発表後の流れを把握しておけば、無用な不安に振り回されることはありません。

これまで積み重ねてきた努力を信じて、ご家庭がお子様にとって一番の安心できる居場所となれるよう、あたたかく見守ってあげてくださいね。

出典・参考資料

マナベル講師

今日もお子様のサポート、本当にお疲れ様でした。大手塾のカリキュラムや、広島での志望校選びで一人で悩まれていませんか?

マナベル講師への現在の学習方針に関する『セカンドオピニオン(単発相談)』は、毎月限定3名様まで無料で受け付けています。お気軽に下のボタンからお悩みをお聞かせくださいね。

無料教育相談

お気軽にご相談ください。

相談する