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志望校別対策

【広島学院中・算数】合否を分ける「比」と「立体図形」!頭の中の処理を捨てる図解力

この記事の重要ポイント

  • 比と立体で失点する子の共通パターン
  • 頭の処理を捨てる図解トレーニング法
  • 途中式と図で部分点を拾う記述力

導入

広島学院中学校を目指し、日々の学習を重ねている受験生と保護者の皆様へ。

ご家庭での算数の解き直しや問題演習の時間を振り返ってみてください。広島学院中の算数対策において、計算力や処理スピードは着実に仕上がってきたものの、「図形問題」や「比の応用問題」になると、お子様がピタッと鉛筆を止めてしまう、あるいはいとも簡単に大問ごと失点してしまう、といった壁に直面していませんか。

「比や立体図形の問題で、ちゃんと図を描いて考えなさい」と親御様が声をかけても、お子様は「頭の中で分かっているから大丈夫だよ」「図を描くのは時間がもったいない」と反発するかもしれません。そして結局は、問題用紙に印刷された図形をじっと睨みつけたまま、空中に指で何かを描くような仕草をして、余白に唐突な筆算を書き散らす。丸つけをしてみると、あえなく不正解になっており、どこでどう間違えたのかノートを見てもさっぱり分からない。こうした情景は、中学受験を控えた多くのご家庭で日常的に繰り広げられています。

実は、広島学院中の算数において、合否の決定打となるのはまさにこの 「比の活用」と「立体図形」への対応力 なのです。

今回は、なぜ真面目で計算力のある受験生ほどこれらの単元で失点してしまうのか、そして複雑な問題を制するために必要不可欠な 「図解力」 の重要性と、その効果的な学習 対策 について、入試問題のリアルなデータをもとに客観的な視点から解説いたします。

頻出単元「比」と「立体図形」が合否を分ける理由と過去問のリアル

これまでの入試データを客観的に分析すると明らかなように、広島学院中の算数では、基礎的な計算力に加えて、文章題や複雑な条件を論理的に読み解く力が極めて高く要求されます。その中でも特に習熟が不可欠なのが、 「比を利用した平面図形」と「立体図形の切断・くり抜き」 です。

実際の入試問題を見ると、大問の後半でこれらの要素が複雑に絡み合った問題が毎年必ずと言っていいほど出題されています。具体的な出題例として、2025年度の算数・大問5で出題された 「立方体のくり抜き問題」 を見てみましょう。 この問題は、細かい立方体が集まってできた大きな立体において、「正面の斜線部分を反対側までくり抜く」という操作に加え、「右の面の斜線部分も反対側までくり抜く」という、非常に高度な空間把握が求められるものでした。

ここで多くの受験生が陥りがちなのが、 「斜めから描かれた見取り図をじっと見つめ、頭の中の想像だけでくり抜かれたブロックの数を数えようとする」 というミスの連鎖です。頭の中だけで立体をイメージして処理しようとすると、正面からのくり抜きと右側面からのくり抜きが内部で交差する部分を重複して数えてしまったり、奥に隠れているブロックの存在を忘れてしまったりして、必ず計算が破綻します。

また、2024年度の大問1(4)では 「1辺の長さが12cmの立方体から直方体をくり抜いた図形を半分に切断したと考える」 処理が求められ、2023年度の大問4では、 「三角形の面積を、底辺をEDとする場合とEHとする場合の2通りの高さの比を用いて表す」 といったように、比と図形を複合的に処理する力が問われています。

広島学院中の入試において求められているのは、単に空間をぼんやりとイメージする力ではありません。どの段で何個のブロックが削られるのか、あるいはどの三角形とどの三角形の比を比べているのかを、 自ら図や条件を整理して正確に書き出す力 なのです。

頭の中の処理を捨てる「図解力」と解答用紙の厳格なルール

広島学院中が受験生に求めているのは、与えられた見取り図をただ眺めるだけの受動的な姿勢ではありません。複雑な立体の情報を、 自ら手を動かして整理し、視覚化する「図解力」 です。

この図解力が極めて重要になるもう一つの大きな理由が、広島学院中特有の 「厳格な採点基準」 にあります。 同校の算数の問題用紙の表紙には、「(計算)と書いてあるところはその答えだけでなく、途中の式・計算も書きなさい」「解答用紙のわくの中に、ていねいな字で記入しなさい」と明記されています。そして、枠外に書かれたものや、論理が飛躍している答えのみの記述は減点、あるいは部分点剥奪の対象となります。

たとえば、ご家庭での問題演習の際、お子様が不正解だった問題に対して「なんでこの答えになったの?」と質問したとします。そのとき、お子様が「えっと、ここの三角形の面積がこうだから…」と口頭で説明できても、ノート上にその三角形を抽出した図がなく、ただ数字の羅列(筆算)しか書かれていなかったらどうでしょうか。親御様には思考の過程が全く伝わりませんし、当然ながら本番の採点官にも全く伝わりません。

「△ABCにおいて」といった対象の明記 もなく、見取り図の横に断面図を描き出すこともせず、唐突に数式だけが解答欄に現れる答案は、 「論理的な思考のプロセスが示されていない」 と判断されます。自分がどの断面やどの比に注目しているのかを採点者に的確に伝えるためにも、情報を紙の上にアウトプットする図解力は絶対に欠かせないのです。

1. 家庭で実践できる図解力を鍛えるフィジカルな学習法

では、この「頭の中で解こうとする癖」を断ち切り、実際に手を動かして図解する力を育てるには、どうすればよいのでしょうか。ご家庭で今日から取り組める、より具体的な指導ステップを提案します。

2. 定規の使用を禁止し10秒のフリーハンドで図を描かせる

図形問題を解く際、テキストや問題用紙に直接ごちゃごちゃと書き込ませるのではなく、 自分のノートにフリーハンドで図を模写する 習慣をつけさせてください。 子どもが図を描きたがらない最大の理由は「定規を使って綺麗に描かなければいけないから面倒くさい」という思い込みです。そこで、 「定規の使用は禁止。10秒以内でサッと図を描きなさい」 という明確なルールを設けます。親御様が横でストップウォッチを持ち、「はい、10秒スタート!」とテンポ良く促すのも効果的です。いびつな形であっても、自分や採点者に「どこに注目しているか」が伝わる図を素早く描く訓練を重ねることで、立体の奥行きや平面の比率を正確に捉える空間把握能力が飛躍的に向上します。

3. 複雑な立体は強制的に「2次元の平面図」に分解して並列させる

立体図形の切断やくり抜きの問題では、斜めから見た見取り図のまま考えさせるのは厳禁です。 「真上から見た図」や「正面から見た図」などに強制的に2次元に分解し、ノートに並列させて描き出す 訓練を徹底してください。 先述の2025年度のくり抜き問題の解説でも示されている通り、大きな見取り図を睨みつけるのではなく、右の面を「アの段」「イの段」とスライスした平面図を描き出し、あるいは「カ、キ、ク、ケの段」と層ごとに分けて平面図を並べ、くり抜かれる箇所を1マスずつ塗りつぶして整理するアプローチが極めて有効です。複雑な3次元の情報を、単純な2次元の平面に落とし込むという物理的な作業が、思考の混乱と計算ミスの防止に直結します。

4. 描き出した図の意図を言葉で親にプレゼンさせる

問題の丸つけが終わった後、「なぜこの補助線を引いたのか」「どこに注目してこの平面図をわざわざ描き出したのか」を、 お子様自身にノートの図を指さしながら説明させてください 。 「ここは正面から見たらただの長方形になるから、この断面図を取り出したんだよ」と、自分の描いた図(思考のプロセス)を他者に言葉でプレゼンする経験を積ませます。この親子のやり取りこそが、本番の解答用紙の限られた枠内に、採点官を納得させるだけの正確な途中式や図解を記述する強固な力へと結実していくのです。

まとめ

広島学院中の算数において安定した得点と部分点を確保するためには、頻出単元である「比」と「立体図形」の完全攻略が不可欠です。頭の中の想像だけで複雑な立体のくり抜きや切断を処理しようとする癖を捨て、自ら手を動かして情報を視覚化する図解力を身につけなければなりません。日々の家庭学習においては、定規に頼らずフリーハンドで素早く図形を模写させ、見取り図をスライスして「アの段」「イの段」といった2次元の平面図に分解して並列させる訓練を徹底してください。そして、描いた図を親に対して言葉で説明させるという地道な作業こそが、複雑な条件を論理的に解きほぐす武器となり、確固たる合格力をもたらすはずです。

マナベル講師

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